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行為者-観察者バイアス


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行為者-観察者バイアスとは

 

行為者-観察者バイアスとは、認知バイアスの一つで、自分の行動を外的・状況的要因に、他人の行動を内的・気質的要因に帰着させる傾向を指します。つまり、自分の行動を観察するとき、その行動が起こった状況や文脈に起因するものとし、他人の行動をその人が本来持っている特性や性格に起因するものとする傾向がある。

例えば、ある学生がテストの成績が悪かった場合、テストの難易度や前夜の寝不足などの要因でその成績が悪かったと考えるかもしれません。しかし、別の学生が同じテストで悪い結果を出した場合、最初の学生は、その悪い結果を知能の欠如や学習習慣の悪さに起因すると考えるかもしれません。

行為者-観察者バイアスは、自分の行動に影響を与える状況要因をより意識する一方で、他人の行動に影響を与える状況要因をあまり意識しない傾向など、さまざまな要因によって生じる可能性があります。さらに、自分の考え、感情、動機についてより深く理解している場合もあり、それが自分の行動の捉え方や解釈に影響を与えることもあります。

行為者-観察者バイアスの影響は、特に、個人が他者の行動について判断や決定を下すような状況において、重大なものとなり得ます。他者の行動を気質的な要因に帰することで、他者について不正確または不当な判断を下す可能性が高くなり、最終的に人間関係や相互作用に影響を及ぼす可能性があります。

行為者-観察者バイアスを克服するためには、他者の行動を気質的要因に帰着させる傾向を自覚し、他者の行動に影響を与える可能性のある状況要因に関する情報を積極的に求めることが重要です。また、他人の立場に立って物事を考えることは、共感と理解を促し、意思決定におけるバイアスの影響を軽減するのに役立ちます。

 

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